日本ではインフルエンザの流行時期や花粉の飛散時期などには、多くの人がマスクを着用するので全く違和感が無いですし、最近ではファッションの一部として取り入れている人も増えているようで、もはやマスクは文化の一部として受け入れられていると言っても過言ではないと思います。
また日本では「予防」の意識でマスクを着用している人が多いので、その事が他国と比べてコロナウイルスの感染者数を低い水準に抑える事が出来ている理由の1つだと思います。
一方、アメリカではマスクをする習慣が無かった上に、マスクをしていると重病人患者か伝染病患者だと思われる事が多かったので、マスクをする事に対してとても抵抗があったように感じます。
私自身、2003年にSARSが流行した時期、病院に行く時にマスク着用でロサンゼルスの地下鉄を利用したのですが、地下鉄の駅構内で男性に「お前、SARSか? 近づくんじゃねぇ!」と怒鳴られました。
ところが、現在のロサンゼルスでは多くの人がマスクを着用しています。
ロサンゼルス市長が、Essential Businesses(生活に必要不可欠な業種)で働く人達とその顧客に対して、マスクやスカーフ、バンダナ等で鼻と口を覆う「フェイスカバー」着用を義務付ける命令『Worker Protection Order』を発出し、4月10日より実施されて以降、マスク着用率が急激にアップしたように感じます。
この命令では、例えば私達が食料品の買い物へ行った際に、マスク等のフェイスカバーを着用していなかった場合には入店を断られる可能性もあるとしています。
実際、私が先週末に日系スーパーに食料品の買い出しへ行った際には、マスク着用に関しこのような表示がされていました。
(2020年4月10日より、入店の際にはフェイスカバーの着用が義務付けられています。)
Trader Joe’sでも。
(フェイスマスクで鼻と口を覆ってください。もし発熱や咳などの症状がある場合には、どうか入店を控えるようご検討ください。)
これまで散々マスク着用の必要性を否定してきたCDC(米疾患予防センター)や政府、WHO(世界保健機関)が一転して、マスク着用を推奨し始めました。
そもそも、これらの機関の方々がこれまで「マスクは不要」だと伝え続けて来た事が疑問で仕方ありません。
自覚症状が無くてもウイルスに感染している可能性は十分に考えられますし、そのような人達がマスクをせずに自分と同じ空間で呼吸をしているのです。
皆がマスクをする事で拡散防止や予防に繋がる事くらい、素人の私でさえ分かります。
マスク着用が推奨された事にはとても安心しています。
私の近所では、散歩やランニング、サイクリングをしている人でさえ、マスクやフェイスカバーを着用している人が多いです。
日差しの強いロサンゼルスではサングラス着用率が高いので、そうすると顔がほぼ隠れて表情が分からないため、いつもは笑顔で挨拶を交わすのですが、現在は手を振って挨拶を交わす事が増えました。
このままアメリカでもマスク文化が定着するのか、今後が気になります。